実例紹介
自分の価値観を知ってライフデザインを描く
実証事業者:タメニー株式会社
ポイント!
- 自分の価値観と向き合い、ライフデザインを描くセミナー
- 社会動向を学びながら、ウェルビーイングやリスキリングの基礎知識も養う
- 価値観診断で、職場でのより良い人間関係を後押し
婚活やカジュアルウェディング事業を展開するタメニー株式会社は、企業・団体の20~30歳代の従業員を対象に、ライフデザインを後押しするセミナーを実施した。働き方やライフスタイルの多様化など社会動向の変化を学びつつ、ウェルビーイングやライフデザインに関する基礎知識を養ってもらう内容となっている。同社の主力である婚活事業で用いる価値観診断ソフトも活用しつつ、自分の価値観を再認識しながら、他者の価値観を知ることで多様性を理解し、職場でのより良い人間関係の構築にもつなげる。セミナー後には、仕事、生活の両面で将来に対する肯定的な意見が増えるなど、成果がみられた。

クイズ形式で基礎知識学ぶ
セミナーでは、企業の間で近年注目されるウェルビーイングやライフデザインについて学びつつ、クイズ形式で基礎知識を得てもらう。社会人の勉強時間や専業主婦の割合、親の介護の在宅・施設比率――など。自身が持つイメージと現実とのギャップを埋めてもらいながら、キャリア形成も含めた人生設計を見つめなおしてもらう。そのうえで、10年間のライフデザインを実際に考えてもらう。結婚、子育てはいつ頃にするか、留学や転職などキャリア形成を具体的に考えるよう促す。自分自身だけでなく、親や子どもといった家族の年齢も意識し、介護の在り方にも理解を深めてもらう狙いがある。さらに、ライフデザインを職場の同僚らとグループで話し合うことで、自らの価値観を再認識し、多様性への理解を深めることにつなげる。実証事業を担当したタメニーの地方創生推進室、前川博志さんは、「職場においても人間関係は問題になりやすい。離職の原因にもなる。互いの価値観を理解し、尊重し合える内容を心がけた」と話す。
独自の価値観診断ソフト
セミナーでは、価値観診断ソフト「EQアセスメント」を活用した。同社の婚活サービスで、より効果的なマッチングにつなげるためのツールとして活用している。自己認知力や自己安定力、対人認知力、対人影響力の4つのカテゴリーごとに対象者の価値観を見える化する。10タイプに分け、それぞれのタイプについて考え方や行動の傾向を解説するほか、他者とよりよい関係を築くポイントも紹介する。「職場においては多様性を知ることが大事。相性が悪いと思う相手ほど、関係構築のヒントにしてほしい。相手を知ったうえで適切な距離をとることと、知らずに避けることとは大きく違う」と前川さん。
実証事業では、将来の理想に向けて必要なサポートなども具体的に考える機会を与えた。会社側も、社員が求めているサポートの内容を知る機会になったり、福利厚生の利用につながったりする利点もあった。
セミナーで行った調査では、受講者の間でウェルビーイングに対して理解が高まるとともに、行動変容もみられたという。さらに、人生の展望や、身の回りのトラブルへの対処について、受講前よりも前向きな結果が示されたという。前川さんとともに実証事業を担当した輿石君子さんは「受講者の人生に対する肯定感が高まったようすがみられた」と手ごたえを感じる。同社は2025年度以降も、本業との相乗効果を見据えつつ、ライフデザイン事業を展開する計画という。