実例紹介

社会人と子どもが自分の可能性を再発見するライフデザインプログラム

実証事業者:SOZOW株式会社

ポイント!

エデュテイメントを軸にオンラインの習いごと事業やフリースクールなどを展開するSOZOW株式会社は今回の実証事業で、子ども向け、社会人向けにオンラインと対面を交えたワークショップを行い、年代ごとに3種のプログラムを提供した。小学生から高校生までを対象にしたプログラムでは、ブロックで自由な世界をつくる人気ゲーム「マインクラフト」にライフデザインの要素を組み込み、大人になった後の選択を疑似体験し、理想の人生は自分で考えてつくることを実感できるようにした。社会人向けには、雑誌の切り抜きを使ったコラージュを通じて、自分の潜在的な考え方や興味・関心を掘り出すワークショップを実施した。受講者からは自分の思い込みを見直し、人生の選択を改めて考えるきっかけになったとの声が年齢問わずあった。

ライフデザインの要素を組み込んだマインクラフト(左)とワークシート(中央が子ども向け、右が大人向け)

カギは、対話力と自律的な力

同社がライフデザインサービスで重視したのが、対話力と自律的な力だという。対話や自ら考える力を通じ、ライフデザインを主体的に設計できるようにするためという。担当の矢代枝理子さんは、「ライフデザインは正解もなく、決まった形もない。知らない自分の可能性への気づきや自ら考え生きる力を育てる土壌をつくる環境を意識した」という。小学4年生から高校生までが参加したマインクラフトを使ったプログラムでは、プレイヤーの選択や行動によって、「心」や「体」「お金」のポイントが増減する仕組みにした。ゲーム内で選択する休息やスキルアップセミナー受講などによって、ポイントが変化する。プログラムではゲームの時間を2回挟むことで、1回目と2回目の間に参加者同士の対話や自己対話の機会を設け、自分の経験や考え方を見直してもらう。矢代さんは、「高校生になると現実を知り、自己理解がシビアに(厳しく)なりがち。実証事業を通じて、自分の可能性にもう一度気づくきっかけにもなった」と話す。高校生の参加者からも「自分が意外とできることを発見した」との前向きな声があったという。高校生向けには、歌やダンスのパフォーマンスにチャレンジするミュージック・アウトリーチを取り入れた。

人生の棚卸し・見つめ直しに

社会人でも、潜在的な自分の思考や可能性に気づくケースが多く見られたという。雑誌から気になった記事や写真、イラストなどを切り出し、コラージュを作成する「ビジョンマッピング」を取り入れた。普段の仕事や生活では意識しにくい新たな自分の可能性に気づく参加者もいたという。対話学を専門としたウェルビーイングを研究する専門家の監修の下、高齢化や雇用環境など社会情勢を踏まえた生き方をテーマとした座学も交えた。対話や自己理解を経てワークシートに今後の行動、人生設計を落とし込む。参加者からも、「思いもよらなかった要素や忘れていた過去の経験が出て、人生の棚卸しをし、見つめ直すよい機会になった」などの声があり、セミナーを通じて主体性が高まる変化が見られた。